そのとき、危うくまた別の人とぶつかりそうになって……でもギリギリのところで避けたんだけど、すれ違いざま微風があたしの頬に当たった。
なぜか、感じる頬の冷たさ。
頬に手を当ててみると、いつのまにかそこに一筋の涙が伝っていた―――――
× × ×
それから、どれくらい歩き続けた頃だろう…
気が付くとあたしは池袋駅から少し離れたところにあるサンシャインシティの地下街を歩いていた。
ビィーン、ビィーン…
ポケットの中のケータイがバイブで振動する。
せっかくの土曜日なのにみんな何もすることがないのか、実は今日も今日とて、朝からあたしのプロフに誹謗中傷メールが送られていたんだ。
ビィーン、ビィーン…
だけど、なかなかバイブが止まらない。メールじゃなくて、電話の着信みたいだ。