「そ、そーだね、分かった。きっとデカ島には恨まれると思うけど、ふざけて“本命チョコ”なんて言って渡したあたしも悪いんだし、今回は憎まれ役でもしかたないよ」


「“憎まれ役”か……今の俺もクリスにとっては憎むべき相手なんだろうな……」

電話越しに聞こえてくるソノ声がひどく凹んでいるようだった。


「憎んでるよ」

サラリと言うあたし。


「でも、もういい。タイプじゃないなら仕方ないし、ロムがあたしと付き合わないのは、あたしがデカ島と付き合わないのと同じだから」


「クリス…」


「でも、あたしはいつまでも振り向いてもらえない相手のことを想ってロムみたいにウジウジはしていないよ。あたしをフッたこと後悔するくらいMAXサイコーなカレシをGetして、いつか必ず見返してやるんだから」

でも、この発言は半分本気で半分はウソ。つまりカラ元気の強がりだった、ってコト。


「じゃ、あたし、髪を乾かさないといけないから、そろそろ電話切るね」