彼が返事をするまでの一瞬のあいだに、何人かのカノジョ候補をあたしなりに考えてみたんだけど、その中には出てこなかったコの名前だ。
「小菅(コスゲ)だよ」
「こ、小菅って……チーコのこと!?」
「あぁ。お前がアメリカに行ってる7年のあいだに、そーいうことになってたんだ」
あたしはこのとき7年という時間の長さをあらためて思い知らされた。
7年という時の流れがデカ島とチーコを互いに異性として意識させるようになり、そしていつしか二人は恋に落ちたってことか……。
「で、でもデカ島、あたしに付き合ってほしいってマジ告白してきたよっ」
あたしは慌てて言った。
「もしかしてアイツ、クリスに心変わりしようとしてるのかもしれないな」
「そ、そんなの困るっ…あ、あたし、デカ島のことなんか全然好きじゃないしっ…」
焦りまくってるあたし。
「それなら……デカにとっては残酷なことなのかもしれないけど、ソノ気はないってハッキリ伝えたほうがいいよ。今ならまだ、デカの心を小菅のほうに戻すことだってできると思うし」