目を開き、彼の背中からおでこを離すあたし。

まったく予想外の返答だった。

「ホント、悪いとは思うけど、でもこれが俺の本気の回答だ」

「そ、そんなっ…」

「こんなこと言ってもしかたないのかもしれないけど……別に俺、クリスが嫌いってワケじゃないよ」

「………」

「じゃあ、好きなのか?っていえば、そうハッキリとも言えないし……」

「なにソレ…? そーいう煮え切らないウジウジしたとこ、小さい頃と変わんないね」

「“小さい頃と変わんない”か……」

その言い方がすごく感慨深げだった。

「そーいう意味で言えば、俺のクリスに対する気持ちだって、小さい頃と変わんない……つまり、ぶっちゃけ俺にとってクリスは、ガキの頃、仲がよかった友達の一人、ってふうにしか思えないんだ……」

「…!?」

こんなシーンでは、マンガやアニメだと“ガーン!!”って効果音が付くんだろーけど、あたしにとって今はまさにガーンな衝撃の瞬間だった。