「ようやくクチをきいてくれたね」
「だってさ…女のコにそこまで言わせて、男の俺が黙ってるワケにはいかないよ…」
だけど、ハンドルを握って、視線は信号のほうを向いたままだった。
「クリスの気持ちはよく分かったよ……本気で言ってるんだってことも分かってる……」
「よかったァ…」
あたしは安心して、再びロムの背中でおでこをつけると、そして静かに目を閉じた。
「だから俺も本気には本気で答える」
「うん」
そして、あたしは彼の本気の言葉を待った。
「………」
一瞬の間があって…、
彼はこう言った…、
「俺はクリスとは付き合えない」
…って。
「えっ…」