「だって今、こうして至近距離でロムといっしょにいて、あたしの胸ドキドキしてるもん。弟なんかといっしょにいて、こんなにドキドキするはずないじゃん」
自分で言ってて、耳まで熱くなる。
2月早朝の冷たい空気も、ほてったあたしの体温を冷ますことはできないみたい。
「“カラダは正直”ってよく言うけど、ソレってホントだね? たとえ、頭の片隅でロムを弟みたいに思ってたとしても、カラダがロムのことをひとりの男のヒトとして、ちゃんと認識してるんだから」
「………」
「ねぇ、ロム」
「………」
「今なら面と向かってじゃないから言えるけど、あたし……あたし、ロムのこと、弟じゃなくて……男のヒトとして好き……ちゃんと好きだから」
「…!?」
そのとき、かすかにだけど、一瞬たしかにロムの頭がピクッと動いたような気がした。
「あたし、お姉ちゃんじゃなくて……女として、ちゃんとロムのこと、好きだから」