「うちの親父はこういう
人間だったんだ。
自信に満ち溢れて
いつか俺に継がせるのが
夢だったんだとか~」


「そうなんですか。」


「一人の人間のために
こんなに狂っちゃった。
おかしいくらい~」


その横に隠れている
遺影が目に入った。


「これ・・・・」


「そ、奈楠の母親。
似てるだろ~
生き写しみたいだから。」



少しつめたそうに感じる
真白な雪のような女性


「ねえさんの美しさが
林の人生も変えてしまった。
憎いけれど
あいつも哀れな男だな。」



その時
リビングから血相を変えて

妻が飛び込んできた。



「パパ、林からよ。
電話、電話!!」



叔父は俺を振り返った。



「来たね、佐川さん・・・」



俺もうなずいた。