銀世界が広がる頃には
仕事もなんとか
こなせるようになった。


冷たかった社員や上司も
それなりに声をかけてくれて

  頑張った結果


それが見えてきて
うれしかった。


俺はまた自分が成長したと
自信がついた。


奈楠の消息もあれから
つかめなかった。
奈楠の叔父とは頻繁に連絡を
とっていたが
あれから連絡は途絶えた。


そんな中
奈楠の祖父が死んだ。


失っていく記憶の中でも
家族に謝りつづけたと
そして奈楠にも・・・・・。



俺は少し時間を空けて
お参りに出かけた。



「わざわざありがとうございます。」



「いいえ、おそくなって
申し訳ありません・・・:」



祖父の遺影は


堂々とした笑顔だった。