車を走らせて
病院に着いたときはもう7時を
まわっていた。


看護師が

病室の人がカゼ気味で
奈楠の病室が個室に変わったと
教えてくれた。



奈楠の病室の前で
消毒を丁寧にして
深呼吸をした。



奈楠は窓を眺めていた。

静かに近づいて
ベットに腰掛けた。



「ったく・・・
今日はもうこないんだ~アイツ。」


振り向いた奈楠は飛び上がった。


「来てるよ、アイツ~」

俺はおどけて言った。
奈楠は反抗するのを
一瞬忘れたように
満面の笑顔だった。


「さびしかったのか?」


奈楠はハッとしたように
表情を戻した。


「素直になれよ~」


俺は、奈楠を思わず抱きしめた。