「俺が悪いんだ・・・・
奈楠の気持ちに気づいてやれなくて
自分のことばっかで
気持ちを打ち明けられて
俺は、奈楠を遠ざけたんだ。
冷酷さは変わってないよな。
天使にまで
俺は、ひどいことしてさ・・・
俺のつまんない記憶の中に住んでた
大事な天使だったのに・・・
あいつ・・
死ぬんだって・・・・
俺のせいなんだ・・・・・
あの時、歩来に言われたとき
後ろめたさがなければ、しっかり対応できた。
出ていくなんて許さなかったのに
自分だけが幸せだったから
奈楠のこと考えるのが面倒になって
後悔したって・・・
俺が奈楠の命の期限を短くしたんだ。」



歩来は俺の背中を
優しく撫ぜてくれた。


「芳樹の気持ちはわかるけど
そんなに責めちゃ
奈楠ちゃんをサポートできないよ。
芳樹っていう人間に
自信を持って・・・
奈楠ちゃんだって
芳樹のこと求めてる・・・・
もう終わったこと責めたって
始まらない。
これからどうするのか
芳樹・・・
悔やんでる時間なんてないのよ。」



歩来に言われて
ハッとした・・・・


  これからどうするのか
  時間がない


「ありがとう。
そうだよね。早く前を見なくちゃ。」

「がんばれ、芳樹
つらいけど・・・がんばれ・・・」
歩来の声が涙声になった。


「ごめん、泣かしちゃて・・・
素良に叱られるな~」



「何もしてあげられなくて
自分だけ幸せで
ごめんね・・・・・」