「ちょっと寄り道するか?」


「うん・・・・」



彼女たちを乗せて
よく出かけた公園に車をとめた。
この場所からみる
夜景はきれいだったから
彼女たちは
大概喜んで
勢いついて・・・・・
なんて不埒な公園だった。
俺にとっては・・・・



「うわ~きれいね~
海がキラキラしてて、知らなかった~
今度、素良に教えてあげるわ。」


風が髪の毛を揺らす。
歩来は本当に素良と
結婚してから
益々美しくなった・・・・


「あ、それどころじゃない。
それで奈楠ちゃんは?」


誰かに話したかった。
苦しくて一人で
抱えているのはつらすぎた。



話をし終わると
歩来が泣いていた。


「かわいそうに・・・・
まだあんなに若いのに・・・
かわいそう・・・」


そして


「芳樹もつらいね。」


俺を抱き締めた。


あまりに突然だったけど
歩来に抱きしめられて
あの頃のすさんだ自分を
変えてくれた
歩来に包み込まれた気がした。