「奈楠!!」
たまらず病室に入っていった。

「にーにー・・・」
奈楠はおどろいた顔をして
俺を見つめて

「じいちゃん、話したんだ・・・」と
ため息をついた。


「大丈夫です、俺から話ますから。」
看護師にそう言った。


「お願いします。」

そう言って病室を出た。



「ごめん、今まで会いに来ないで・・・」


奈楠はベットに腰掛けた。

「そのまま来なくていいのに・・・・」


「大丈夫なのか?」


「大丈夫よ、ただ貧血がよくないだけ。
だからもう退院したいの。
仕事も休んでいられないし・・・・」


「でも体治さないと・・・」


「そんなこといってらんないの。
だって、ここにいたら
どんだけかかるか・・・・
仕事はじめて保険には
入ったけど・・・・・
どこまでいけるか・・・・・」


「でも体のほうが大事だろう?」


奈楠は俺をキッと見返した。


「仕事しないと
健康でも不健康でも・・・・
私は一人で生きていきたいの。
誰にも頼りたくない!!」


  俺のせいだ・・・・

あの夜一緒にいてやらなかったから・・・


「帰ってくれる?」
冷たい口調だった。