俺は車を走らせた。

奈楠は、この間四季と来た
病院に入院していた。

祖父は多くは語らなかったが
検査入院といっていた。
入院費の心配を
こそっとつぶやいた・・・・



  俺・・・・
  何をしていたんだ・・・

越していく前の
奈楠を思い出していた。


顔色が悪くて
熱もよく出していた。


  ねられない

そう言っていた・・・


食欲もなかった・・・・



あの時から
調子が悪そうだった
悪い病気じゃないようにと
祈るしかなかった。



俺は・・・・
自分に腹が立った。

そしてどんな顔して会えばいいのか
考えた・・・・


四季のネクタイの君と同じ階の
反対側の病棟だった。

 
 血液内科病棟



病室に行くと
言い争っている声がした。


「林さん、まだ安静にしてないと!!」


「大丈夫ですから、
もう仕事に戻らないと・・・
入院あんまり長くなると
困るんです・・・・
お願いします・・・・・」


「入院の窓口で
相談にのってくれるから
一度相談してみたら?
からだなおさないと・・・・
仕事もできないでしょう?」


「はたらかなきゃ・・・
誰も頼れないから・・・・
生きていけないんです・・・・」


胸がえぐられる思いだった・・・・