「ホント、お前たち姉弟は変なところばっかり似てるな。

自分をわかっていないところとか鈍感なところとかマジで似過ぎだから、正直に言って怖い」

笑いながら言ったアズにぃに、
「それって、悪口なの?」

俺は聞き返した。

アズにぃは呆れたように、
「別に、ただ思ったことを並べて言っただけ」
と、言った。

そう言った彼に俺はうつむいた。

「何してんだよ?」

うつむいた俺にアズにぃの声が降ってきた。

「まあ、悩むことくらいあるよな。

俺もそうだったし」

ポンッと、アズにぃの手が俺の頭のうえに乗ったので俺は顔をあげた。

「頑張れよ」

励ますように、アズにぃが笑った。

石楠花先生が好き――転がるようなその思いを、俺は初めて知った。