彼が横を向くと言うことは、ウソをついていると言う証拠だ。

「別に話してくれたっていいだろう」

そんな桃坊に俺は言った。

「だって…」

呟くように言った桃坊に、
「幼なじみだろ」

俺は言い返した。

桃坊は何も言えないと言うようにうつむいた後、
「わかったよ」

ため息をつきながら顔をあげたのだった。

「何をしてんだって、思ったんだよ」

桃坊が言った。

「何が?」

そう聞いた俺に、
「訳がわかんねーんだよ」

桃坊は目をそらした。

「はっ?」

俺の声に桃坊は視線を戻した。

視線を向けたり、戻したり、忙しいヤツだな。

*゚。梓Side。゚*END