「ははーん、さては昔に女と何かあったなー?」

そう言って、探偵のような目つきでカズが俺を見た。

「はっ?」

俺は聞き返した。

昔って…俺、まだ15だぜ?

「別に何にもねーよ。

姉妹が1人いたら、何にも思わねーよ」

呆れたと言うように返した俺に、
「へえ、そーゆーもんなんだ」

カズが言った。

「そう言うもんだよ、姉妹が1人いるってことは」

「あー、確かにトーゴの姉ちゃんってすっげー美人だよなー」

うんうんと首を縦に振ってうなずいているカズに、
「性格はキツイよ?

しかも、彼氏いますから」

俺は返事をした。

「えっ、マジで!?

一体誰だよ!?」

カズが驚いた。

「さすがにそれは教えないね、リコ姉ちゃんにぶっ飛ばされるから」

この時、リコ姉ちゃんがデカいくしゃみをしていたことを俺は知らない。