*゚。桃護Side。゚*

よくわかんねーけど、俺にもアズにぃみたいな恋あんのかな?

アズにぃみたいに、長い間リコ姉ちゃんに片思いをしていた一途な恋と言うものが。

正直に言うと、俺は今の今まで誰かを好きになったことがない。

誰にも恋をしたことがなんてないなんて、俺は遅れているのだろうか?

「…バカじゃん、俺」

自分で呟いて、自分でへこんだ。

自分の言ったことにへこむヤツって、俺くらいのものか?


翌日。

「おはよー」

俺は教室に入ると、いつものように自分の席に座った。

「おう、おはよう」

躰を俺に向けたカズが言った。

「おい、トーゴ」

「何?」

「買っちまったよー」

嘆くような感じで、カズが嬉しそうに言った。