俺はつけくわえるように、
「告白してくるヤツはいたけどな」
と、言った。

「でも断ったんでしょ?」

そう言い返した桃坊に、俺は首を縦に振ってうなずいた。

「今の話、絶対リコには秘密にしろよ」

俺は桃坊に言い聞かせるように言った。

なんて、本当は先ほどリコに聞かれたから全部言ったんだけどな。

普段から桃坊に振り回されてるんだ、これくらいはバチなんて当たる訳があるまい。

返事がない桃坊に、
「だから、秘密にしろよ?」

念を押すように、俺は言った。

「わかったよ」

そう返事をした桃坊がテレビに視線を向けたので、俺もそちらの方に視線を向けた。

ある選手が特大のホームランを打ったと、テレビの中のアナウンサーや観客たちが騒いでいた。

*゚。梓Side。゚*END