「たぶん、その時から俺はリコのことを好きになってたんだと思う。

あいつ、成長するたびにどんどんかわいくなって行くし…」

そこまで言って、俺は恥ずかしくなって口を閉じた。

一体、俺は何を言っているんだ？

今の今まで黙っていただけに、言うのは初めてだった。

「それで？」

桃坊が続きを促してきた。

こいつ、どこまで事情聴取をするつもりなんだ？

「あいつはあいつで、自分がかわいくなっていることに気がつかないし…」

そう言った俺に、
「鈍感なところがあるからね、リコ姉ちゃんって」

桃坊は言い貸した。

いい言い方をするなら“天然”、悪い言い方をするなら“鈍感”、さらに悪い言い方をするなら“バカ”だ。