「美和すごいね ひとりで色々なところに行くんだ♪」


「まだわからないけどね、暑いから寒いほうに行きたいかも」


「ねえ… 良かったらだけどさ!
 まだちゃんと決まってないんだったらしばらくうちに一緒にいてよ!」

「はあ!? なんで?
 てか迷惑だろうからいいよ」

「そんなことないって!省吾もきっと喜ぶよ♪
 夏休みの間だけでもいいから」

「えぇ まあ泊まる所ないから助かるけど… 」



「俺も別に構わないよ」

奥の部屋から省吾は顔を出して笑っていた

どうやら話は全部聞こえてたらしい

「悠里もうすぐ夏休みに入るし、俺も仕事あるからさ 
 誰か面倒見てくれると助かるよ」

「私 子供の面倒とか見れませんて!」

「はあーッ 俺そんな子供じゃないし大丈夫だってば!」


「いい話だと思うよ
 食事と風呂もついてて、何より暖かい布団で眠れるのって」


美和は少し考えた

確かにおいしい話だ

何より所持金ももうすぐ底を突く
バイトでもしなければどこにも行けはしない。

というより、野宿になる予定だったのだ