パシ…手伝いを終えてぶらぶらと小道を歩く。
周りに広がるのはやっぱり田や畑ばかりだし、それを囲むように森が広がっている。

川は山の中にあってなかなか大きいらしい。編入とかいろいろあっていけなかったから、今度連れていってもらうつもりだ。勿論おじいちゃんに。

降った雪は微かに残ってることから、ここはやはり冬が長いことがわかる。だから向こうに見え隠れする山は雲に溶けるほど真っ白だ。


「今日晴れなのに、溶けないのか。」

つくづく暦を無視した時間の中に生きている。

僕の眼下に広がる森は鬱蒼と生い茂り、独特の恐ろしさがある。
 
「……トトロとか…いたりして?」 
僕の呟きに呼応するように、森全体がザワリと呻き、知らず僕は身震いした。


…そんな生易しいものではない。


そう、言われた気がして…