「こんにちは。貴方私がみえるのね?」 桜の木の枝に座って、僕を見下ろす少女を呆気にとられて見返した。 「私、妖怪なの。ようかい。この桜の妖怪よ。」 初めまして、人間さん。 その声は花を散らした風によって、攫われるようにして僕の耳に届いた。 .