「チッ・・・時間だ行かなきゃ」

どうやらタイムリミットらしい

私を抱き締めていた腕を緩める

「着いてくる?」

冗談なのか、本気なのかどちらともとれる顔

「私も明日仕事だよ」

その言葉に

「だよな。
じゃ、行ってくるんだけど・・・」

言葉に詰まる


「何?」

首を傾げる私

「・・・PV・・・観たいか?」

「いきなり何?」

「じゃ、質問変える。
PV観るのか?俺らの新曲の」

何を今さら当たり前なことを聞いているのか意図がつかめない

「そりゃ〜今までも観てるし観るよ。」

あからさまに肩を落とし


「・・・だよな
じゃ、観るのは仕方ない。でも観たからって付き合えないとかなし!」

「なんで?」

「・・・」

返事が返ってこない

「ねぇ。なんで?」

瑛士は拗ねたなような顔になり

「次のカットがキスシーンがあるから。」

そう言うとまた私の背中に腕を回して抱き締めた