俺の肩に手を置いた弘人は、目に涙を溜めてた。

あの馬鹿っっ譲りやがった。
楓はどう考えても、弘人に惚れんのに。

ふと、楓を見る。

楓「・・・。」

こちらも同じように涙目になってる。


  一番困ってんのはおれだっつんだよ。

基「えぇと・・・。」

とりあえずこんな寒いところにはいられない。

基「とりあえず、家に帰るぞ。さみぃ」

楓「はい・・・。」

pi---pi-----

かわいげのない携帯の音。
俺のだ・・・。