「寂しい、寂しい、孤独だ。俺はどこまでいっても孤独だ。家族、友人、その他一切のもの。この地球上で誰も俺の気持ちなんか分かってもらえない。ただ、ただ、ただ只管に全てが不安で、恐ろしい・・・」
 少年はその日も迫り来る闇に怯えながら、夜を過ごした。
 また別の日には怒りに打ち震え、やがて人生に絶望する。
「殺してやりたい!さもなければ死んでやる!・・・だが、それでどうなる? 殺したとして、俺の人生は終わりだ。人殺しの烙印を押されたまま人生を過ごしたところで価値などない。俺が死んだとて・・・確かに楽だろう。このまま生き続けるのは辛過ぎる。だが、それでは負け犬だ。何も出来ないただの負け犬だ。それでは余りにも無念!余りにも悲しすぎる!それでは死んでも死にきれはしない。くそっ!くそっ!悔しいっ!悔しいっ!悔しいぃ・・・はァ…結局、どうしようもないのか・・・」
涙が枯れると言われるが、少年の涙は尽きることなく、いつまでも止めることは出来なかった。

 太陽が沈まぬ日は無く、そしてまた、明けない夜はない。仮令何が起ころうとも、少年の気持ちとは関係なく時は過ぎていく。紫色に棚引く雲が、間も無く昇り来る太陽の存在を告げていた。