チャイムが響き、教室のいつもの席に座る。
教諭が授業を始める。
いつもと変わらぬ日常。
その変わらぬ毎日はいつまで続くのだろうか?
少年は考えてしまう。

 だが、少しすると思考を止め自動的にノートをとり教科書を読み進める。
少年は正直このレベルの内容なら教科書を読めば大体の内容は理解できてしまうため、どうしても授業に身が入らないと普段から感じていた。
この授業にどれだけの価値があるのかと。
理解に苦しんだ。
それだけではない。
少年にとって理解に苦しむ事柄は周囲に溢れていた。
何故彼らはそのようなクダラナイことで差別し蔑み、優位に立とうとするのか?
何故彼女らはそのように群れるのか?
全く理解に苦しんだ。
とは言え、浮かぶ疑問の殆ど全てに対し、少年は自己にて答えを出していた。
自己完結してしまっていた。

 そのためだろうか、この頃の彼は世の中に悲観し、絶望すらしていた感があった。