沈黙が、降りる。
私は呆然と、穏やかな表情で窓の外を眺める清水さんの横顔を見つめていた。
「気持ちは、すっきりはしない、けど」
眉間に皺を寄せ考え込んだ私に、そうもごもごと清水さんが呟いて、優しく、ぽんぽんと私の肩を叩いた。
伏せていた顔を上げると、眉を下げて、こちらを見ている清水さん。
その唇が、動いた。
「言った事は言った事だし、柴農のことも、たしかにそういうふうに……思ってた。
だけど、本当は違うのかもね…。
伊上さん、ごめんね」
そして、清水さんは深く頭を下げた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…