目を見開いて、伏せられた鋭い瞳を見る。 校門に立つ学ラン姿の長身。 夕焼けのオレンジ色の光を受け、柔らかく光る黒髪。 肩に担いだ、ギターケース。 何度瞬いても、それは消えることはなくて―…幻でも見間違いでもなかった。 「すごいねえ。柴農の制服着てうちに来るなんて」 隣から、そう、清水さんの声が聞こえて。 私の心は、氷のように冷えて、固まった。