……柴農

その言葉に反応して、動きを止める。

振り返った先には、窓の外に身を乗り出して、口元には微笑みを浮かべてその先を見ている清水さん。

「彼女でも待ってるのかな?」

そう言って、私のほうに顔を向けてくる。
私もまた、机と机の間を通り、窓の傍に立った。

清水さんの視線の先を追う。

――校門。

その姿を見つけた瞬間、固まった。



……どうして



トキが、あそこに居るの。