「起立、礼」


やたらと長いHRも終わり、

皆口々に、明日会う予定は無言のまま、別れの挨拶をし互いに手を振って、出口へ向かう波に紛れ、ひとり、またひとりと教室から出て行く。

私もそれにならい、スクールバックを肩にかけて席を立った。

ちらりと窓の外を見ると、オレンジ色とピンク色を混ぜたような、鮮やかな夕焼け。

少しだけ目を細めて、視線を戻す。


そして、教室を出て廊下に足を踏み入れた、その時だった。



「ねえ……あれ、柴農の制服だよねえ?」



背後から


清水さんの、声が聞こえた。