「あぁ、それか。だって、主人が自分のメイドを、名字で呼ぶのって変じゃね?」

あたし、普通のうちに生まれたから、そんなのわかんないし。

「そうゆうもんなの?」

「そうなんじゃん?まぁ、俺は楓って呼びたいから呼んだ。」

ふ~んそんなもんなんだ。

「あたし、『藤川』って呼ばないように気を付けるね。」

藤川が、頷いたと同時くらいに、ゆっくり車が止まった。