光りが優しく零れる朝。
いつもと変わらない平穏さに圧倒されてしまう。テレビはつけっぱではないか。辺りを見回せば、部屋の端から端までゴミが散らかっている。もしここが親友の空海の部屋だったらゴミなどは落ちていないはずだ。なにしろ彼は短気ではあるが、根っからの綺麗好きだからだ。オレと空海の二人は、昔っからの腐れ縁。
あまり仲が良いとは言わないがまぁ、以外と仲が良い。
初めは、【なんだ?こいつは。初めて見る顔だ。どんな奴なのかな?オレ、こいつと仲良く出来んのかな?】なんて思ってた。
案の定、空海は絡みやすい奴だった。相手はどう思ってるのか知らないけど。オレとしたら絡みやすかった。今、オレらは高一で同校。とんでもないことに、クラスまで一緒だ。これって、世で言う『運命』ってやつ?空海と出会って十年、長い付き合いだと言うのにオレはまだどこかしら、ぎこちない。そんなことを考えながら、登校の仕度をしていた。一言、「よし!」と呟くとオレは学校に向かった。