地球(ほし)の躍動が聞こえる場所。

キミはこの場所をそう呼んだ。

キミはおもむろにギターを取り出して、

組んだ脚にそれをのせて、

さびしい歌を歌った。

でも、それはすぐにやめてしまって、

黄昏色に染まる空を見上げて、

「ひとってちいさいな。」

と、つぶやいた。

「どうしたの。」

ぼくが訊くと、キミはふっと消え入るような、さびしい顔をして、

「ぼくはね、こんど、あの、水平線の向こうへ、行くんだよ。」

そういって、一度、大きく伸びをした。