「宙奈?宙奈!!」
「あ、あぁ。何?」
「だーかーら!つまらんから、次、奏幸(そうさき)公園行こう!! って。」
「おっけい。」
「んじゃ、出発!!」
(はぁ〜…。)
また、遠くへ……。
めんどくさい事をしてくれるよ、まったく……。
「「きゃー!」」
「「あははは!」」
「ん?」
───そして
「到着だ!」
と、言うとまた、茉香はブランコの方へ行った。
(ってか、ブランコ乗るならあっちでも良いじゃん。)
「ああ!おい、瑞歩!跳ばしすぎだぞ!」
「ごめん、ごめん!」
「ん?」
と小さい男の子達が喋っている方向を見たら、ころころころ、とボールが私の目の前に転がってきた。
私はそのボールを拾い、そのボールを蹴りすぎた瑞歩と呼ばれる男の子に
「はい、どーぞ。」
と笑顔で渡した。
すると、
「ありがとう!」
瑞歩君は、ニコッ、と私に笑顔を見せると友達の方へ戻っていった。
「……。」
その瑞歩君の笑顔は、キラキラキラ、と輝いていた。それにくらべて、
私の笑顔はどうだったんだろうか?
もう少し前に瑞歩君に会って、ボールを渡せたら、あんな“作り笑顔”なんかじゃなく、“本当の笑顔”で渡せたのにな。