放課。私は1年生からの大親友、雅に会いに行く。
雅 異、吾妻 朱祢(アズマ アカネ)。崇葉と同じく1組。

「おい!バカね!」

私は朱祢の事をバカねという。ニックネームからしてわかるよう、バカだからだ。

「ねぇ、ねぇ!昨日のテレビ見た?」
「見た、見た!」
「面白いよねー、アレ!」「うん、うん♪」

と1組のドアで話していたら……、

「俺、アイツよりも背高いよ〜?」

ぇ…?

「崇葉ウザッ!」

そう、崇葉。アノ崇葉だ。崇葉が言う、アイツとは私の事だ。
背が高い?
だから?
だから何?
男子なんだから抜かして当然。
ましては、もう小6。
当たり前の事をアンタは何?
そんなくだらない事で……。

私の感情鈍らせないでよ。


せっかく忘れようと思ってるのに。
嫌いなら話しかけないでよ。
嫌いなら無視してよ。
嫌いなら突き飛ばしてよ。嫌なの。もう、
忘れたいの、アンタの事。


なのに、なのに。
やっぱ
嬉しいんだよね?
崇葉が喋り掛けてくれるのが。
何でだろ?
心の中では嫌だって思ってるのに。
何でだろ?
何でだろ?

「朱祢、崇葉を叩いてこい!」
「あ、アイアイサー!」

崇葉が朱祢に叩かれるのをガードしている。

ベシ、ベシ、ベシ。って。