「お願いします。」
「お願いします。」
女子のジャンプボールは愛結。
湖の方が、背は高いけど、ジャンプ力は愛結の方が高い。
──バシ
(うっしゃ!必殺技だ!)
愛結が弾いたボールを茉香が取り、ゴール下にいる私に茉香がパスをして──…
──…パス
私がシュートを決める という技☆
今日も決まった〜!
『宙奈ぁ〜!がんばれー!』
「え?」
はっ! と我に帰る。
今、崇葉の声が聞こえた気がした。
今、崇葉が私を応援している声がした。
アハハ。
そんな事、有るわけ無いのにね。
私のバカ……。
……そう言えば!
崇葉が茉香を応援してない…。
私達が両思いだった頃は遅くても、今ぐらいにはしてたはずなのに…。
可笑しいな…。
……なんて。
私には関係無い。
──バシ
(へっ!宙奈様の前でこーんなふにゃふにゃパスをやるとはね!)
余裕でカット出来る。
そして──…。
──…パス
「ナイッシュー」
(余裕♪)
でシュートなんか決められる。
次はディフェンスだ!
私は45度の左だ。
楓ちゃん 異、浪花 楓梨(ナニワ フウリ)は私の真逆の45度の右。
茉香がセンターで、愛結がゴール下の左、ゴール下の右が湖。
「おい!宙奈!」
「は?何?」
今、試合中なんだけど…。颯人が私の名前を呼んだ。
「お前センターやれよ!」「はぁ?」
「ってゆーかなんで茉香がやってんの?」
んな事言われたって……。
「そうだ!そうだ!お前がセンターやれ!」
「茉香と変われー!」
うるさい…。
うるさいうるさいうるさい!
─ピー─
2クォーター目終了。
「はぁ…っはぁ…っ。」
次は男子だ。
「んもう!男子ウザイ!」茉香がものすごく怒っている。
そりゃそうだ、試合中、あんだけ男子に文句いわれたんだから無理もない。
『良い気味』って思う自分がいる事が自分でもわかる。(笑)