昨日の出来事で、私の好きな人はいなくなった。
気が楽になった。


「ねぇ、宙奈の好きな人誰ぇ〜?二組でしょ?」

いないよ。
昨日までは二組の臨だったよ。惜しいね、
──茉香…、


「さぁね。」

あえて『いないよ。』とは言わない。
だって言ったって信じてくれないし。
私は最近はまっている『携帯小説』を読み始めた。


ヒソヒソ……、
「ん?」

茉香達が何かを話している。
達とは茉香と
玲奈(れいな)と湖(うみ)だった。玲奈はギャルで、湖は同じバスケ部。

「ねぇ、崇葉、宙奈ん事、ずっと見とったにー?」
「マジ?」

……え?


「何?宙奈、崇葉とより戻したの?」

茉香が私に聞いてきた。
何が何だかさっぱりなんだけど…。

「な分けないじゃん!」
「んじゃあ誰ー?雷樹?」「さあね。」


待ってよ。
え?何?
より戻したの?って、どういう意味?
それ、可笑しくない?
もし、私と崇葉がより戻してたら?


──…ソレヲイママデマカハシラナカッタッテコト?
それは無いよ。
だって
毎日メールしてるでしょ?毎日話してるでしょ?
毎日……、

アイヲタシカメアッテルデショ…?


何でそう思うの?って?
そんなの私と崇葉が両思いだった時、そうだったからだよ。
毎日メールして、
毎日くだらない話して、
毎日…、
互いの愛を確かめ合ってたよ……?


そんな事聞いたら、
まるで


──崇葉と茉香が仲良くしてない

みたいじゃん?


『どゆ事なの?』


私はその気持ちを茉香にも、崇葉にも誰にも聞けない。
私には、もう、聞く権利なんて無いから。
私には、もう、そんな権利、とっくの前に消えたから。


わかってる、わかってるから


辛いの………、

崇葉、私の心の問い掛けに答えて………、