「桶川は親の都合で
引っ越すことになった。
8月の中頃には
引っ越すみたいや。」
先生の声は震えていた。
鼻をすする音が
聴こえてきて
私も泣きそうになった。
「何か急でゴメンな!!」
私はいつもどうり
明るい声で喋ったが
空気は重いままだ。
「桶川席に戻り。
じゃあ手紙配ります!!」
私は自分の席に戻った。
周りの人たちが
喋りかけてきて
優梨奈を見れなかった。