「おはようございます。」
先生はいつもどうり
元気に挨拶をした。
生徒たちはダルいのか
返事はしなかった。
「まずお知らせが
あります。
桶川。」
私はイスから立ち
教壇の前に立った。
優梨奈と目があった。
優梨奈は丸く
大きな目で私を
ジィっと見ていた。
先生はポンと私の
肩を叩いた。
手に力がはいる。


「あたし埼玉に
引っ越すことに
なりました。
2学期からは
この学校にいません。」

クラスのみんなは
騒ぎだした。
優梨奈は大きい目を
さらに大きくしていた。