何処の国に行くのか決まってるのだろうか。


『ねぇ。どこの国に行くの?』

『んー。決まってない。
菜月はどこの国がいい?』


何処だろう。

韓国とか?

ギリシャもいい。

ノルウェー?


彼と一緒なら何処でもいい。



『菜月っ!』


そう彼に言われ、視線の先を見ると、

巨大モニターに父の写真が写っていた。


それはニュース番組で、犯人は不明と言う事を伝えていた。

しかし娘と婚約者が居なくなった、と伝えてる。



『菜月。顔がバレる前に飛行機に乗ってしまおう。』


と言って、1番早く出る便のチケットを買った。