朝日が差す。


母も泣きつかれて寝ている。


父の脈はまだある。


ということは、

峠を越えたのか。



安心して、廊下に出た。


彼が長椅子に横たわっていた。


『亮?』

『菜月ぃ。おはよ。お父さんは?』


ありがとう。大丈夫

と答えた。


『それよりも、ずっと居てくれたの?』

『うん。だって居るって言ったら変な気を遣うでしょ?』


ああ、嬉しい。


彼は私を愛してくれている。


『ありがとう。』


アイスルッテコンナキモチナンダ。