『お母さん。』


静かな廊下に母の啜り泣く声と私の声が響いていた。


『お母さん。』

「……菜月ちゃん。」


何も言えなかった。
何も。


沈黙が続く。


まだ死んでないんだ。



紅いランプが消えた。

扉が開く。



それは…


私の人生が転落する始まりだった。