『ついたよ。早く。急ごう。』

『…』

悲しみなのか自分の愚かさなのか、

抜け殻みたい。


まだ暗い病院の廊下を走る。

彼はこの病院の人間だろうか。

そう思う程、病院を知ってる。

3階に着くと急に明るくなる。


紅いランプ。

切れかけた蛍光灯。

消毒液の臭い。


端にある長椅子に座る母。

泣き崩れる母。



死んだの?