『いいから!早く。』

彼の気迫に圧され、病院の名前を言った。

すると手を引っ張られて車に投げられた。

涙で目の前がぼやける。

でも、彼は自分の事のように真剣だった。

『………』

『………』

いつもより運転が荒い。

父が死んだらどうなるのだろう。

父はきっと、地獄に堕ちるだろう。

私をどんだけ哀しませたのか。

昔も今も苦しめてる。

『……っ。ゃだ…』

『え?』

一度、定めに抵抗したけど、

車の音に掻き消された。

私は変われないのか。