彼の実家に着いた。

…らしい。

もはやこれは家ではなく、城とか博物館。

『ここ?』

『うん。早く行こうっ。』

さっきから瞬きを忘れる程、私は驚いていた。

やっぱり何も知らなかった。

少し歩くと門らしき物があった。

彼が前に立つと執事が門を開けた。

「お帰りなさいませ。」

『ただいま。』

私は何をしていいか分からず軽い会釈しかできなかった。

門をくぐると日本庭園が広がっていた。

私は竹で造られた物に少し目を奪われた。

『ここだから。ただいま~』

「お帰り。亮。」