かすかに、〔もしもし?〕って声が聞こえた。

声のトーンからして親しい人のようだ。

そのあと〔え、今彼女と居る。〕って声。

〔は?いやいや嫌だし。菜月も嫌がるし。〕

誰だろう。

今、菜月って言ったよね。

〔実家以外と遠いし。〕

実家?

お母さんかな?

そんな事を考えている間に彼の会話も終わりそうだった。

急いで音量を上げ、ソファに座る。

すると彼が部屋に戻って来た。