店の外に出ると冬も近づいてるからか、
冷たい風が肌を突き刺した。


『寒っ』

私は足早に車へ乗り込んだ。



『寒いね。それでさ。俺と付き合ってほしいんだ。』

『ぉ、お願いします。』


はーぁ、恥ずかしい。

おそらく私の顔は真っ赤だろう。


『家まで送るよ。』

『うん。ありがと。』


彼は私に『実家に住んでるんだっけ?』と聞いてきた。


住んでる訳ない。

住めない。

あんな家。


『ううん。一人暮らし。』