「さっきね、前園君と話しちゃった~」


前園君というのは、簡単に言うと

容姿端麗、頭脳明晰
誰にでも優しい。

それでいて、実家は茶道の家元。

とにかく、完璧。


『よかったじゃん!…でも挨拶でしょ?』


そう聞くと彼女は小さく頷いた。

いつもの事だが、言い過ぎかな。と考える。


『ま、進歩してるじゃん!』

「…うん!」