〔菜月ちゃん………
なんとなく気づいてたわ。でも、最後までアナタを信じていたかった。

だってアナタは辛い思いをしたものね…
知ってたわ、お母さん。

お父さんがアナタに酷い事をした事、アナタがお父さんを怨んでいる事。

でも、私は知らないフリをしていた。
私が止めてあげれば、支えてあげれば…
アナタもあんな事しなくて済んだのに…

私こそごめんなさい。菜月ちゃん〕

『お母さん…』

〔っごめんなさい…
あとね…私っ、アナタの本当のお母さんじゃないのっ

ごめんなさい、ごめんなさい。菜月ちゃん〕


いつも呼んでいる呼び方なのに“ちゃん”が妙に遠く感じた。

やっぱり、私には信じれる物はない。

罪人だから当たり前か。


でも、例え血の繋がらない母子だとしても、
血の繋がってる父親より絆が深い。