この二年間で何人の男と付き合っただろう。

菜月が居なければ、ありえなかっただろう。

それと同時に菜月を恨んだ。

世の中のいい男は皆、こいつに盗られているのではないのだろうかと。

でも、菜月は彼氏ができた事があまりないらしい。

安心したのもつかの間。

今、本気で恋している前園君が盗られてしまうのではないかという危機に陥っている。


だから今日は絶好のチャンスだった。


なのに何故。

前園君は来たんだ。

私も菜月も連絡をとっていないのに。

あれは一瞬の出来事だった。